大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

横浜地方裁判所 昭和57年(わ)263号 判決

主文

被告人富士合成株式会社を罰金二、五〇〇万円に、被告人岩佐仙治郎を懲役一年六月に、各処する。

被告人岩佐仙治郎に対し、この裁判確定の日から、三年間その刑の執行を猶予する。

事実

被告人富士合成株式会社(以下被告会社という)は、神奈川県平塚市四之宮四四五番地に本店を置き、合成樹脂製品の成型加工販売を目的とする株式会社であり、被告人岩佐仙治郎は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人岩佐仙治郎は、株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上して簿外預金を蓄積するなどの不正な方法により、所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六〇、四二〇、六六四円であったにもかかわらず、昭和五四年二月二八日平塚市松風町二番三〇号所在の所轄平塚税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二一、四九一、一一三円で、これに対する法人税額が七、三二一、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二二、八五一、一〇〇円と右申告税額との差額一五、五二九、六〇〇円を免れ

第二  昭和五四年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一六五、一五三、七一二円であったにもかかわらず、昭和五五年二月二九日前記平塚税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三四、三二九、〇五二円で、これに対する法人税額が一二、四三二、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額六四、七二九、六〇〇円と右申告税額との差額五二、二九七、三〇〇円を免れ

第三  昭和五五年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一二八、七四二、一二三円であったにもかかわらず、昭和五六年二月二七日前記平塚税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五二、四八三、二二〇円で、これに対する法人税額が一九、八二一、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額五〇、三二五、二〇〇円と右申告税額との差額三〇、五〇三、六〇〇円を免れ

たものである。

適条

被告人富士合成株式会社

昭和五六年法律第五四号附則五条により同法律による改正前の法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項、刑法四五条前段、四八条二項

被告人岩佐仙治郎

昭和五六年法律第五四号附則五条により同法律による改正前の法人税法一五九条一項(懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、二五条一項

量刑事由

各犯行の動機、態様、結果(とくに、そのほ脱税額合計九、八三三万五〇〇円、ほ脱税率の平均約七一・三パーセント)のほか、事後の事情(とくに、延滞税、重加算税、過少申告加算税、全額支払の事実)、被告人岩佐仙次郎の年齢、経歴、家庭事情、被告人富士合成株式会社の事業規模、内容等を考慮した。

裁判所書記官 小山田重光

(裁判官 堀内信明)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!